明治学院大学情報科学融合領域センター

2025.06.28 【イベント】Fusion Centerセミナー(話題提供者:大槻 久先生:総合研究大学院大学 統合進化科学研究センター)が開催されます(7月18日)

【日 時】   2025年7月18日(金) 11:00−12:30

【場 所】 情報数理学部会議室(横浜・仮説校舎1階)

【Zoom】https://us02web.zoom.us/j/85137357388

    ミーティング ID: 851 3735 7388
パスコード: 912078

【講演者】大槻久(総合研究大学院大学 統合進化科学研究センター 准教授)

https://researchmap.jp/h_ohtsuki
タイトル:個体学習と社会学習の進化
アブストラクト
文化進化(cultural evolution)の原動力は学習である。個体学習(individual learning)とは自らが試行錯誤を行うことで新たな知識を生み出す学習の形態を指し、コストがかかるものの革新を引き起こす。一方で社会学習(social learning)とは他者を模倣することで知識を取り入れる学習の形態を指し、コストは低いものの革新は生み出さず、文化の伝達に貢献する。このようにこれら二つの学習は知識の「生産」と「伝達」という文化進化の両輪をなすが、個体学習は特にコストのかかる行動ゆえ、誰が知識を生み出すかという社会的ジレンマが生じる。本セミナーでは私の最近の研究から、学習に関する二つの数理モデルを紹介し、このジレンマの様相を議論する。一つ目のモデルでは誰が知識を生産するか、という側面に着目し、順位性に代表される個体の階層性がその鍵であることを紹介する。二つ目のモデルでは学習と繁殖のトレードオフの問題を紹介し、知識が社会学習により伝達される様式に依存して、進化的に安定な個体学習量は大きく変化することを示す。
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